母はどんな気持ちだっただろう。
(パンダ談)
幼稚園に通うようになって。
幼稚園は楽しい場所ではなかった。
なんかちゃんと順番を待っていても待たない人はいるし。
人のことをお前呼ばわりする人はいるし。
なんだか荒々しい人はいるし。
1人、とっても荒っぽいガキ大将みたいな同級生がいた。
人のことを待つ僕をのろまと呼んで。
そんなことしちゃいけないんだよとか、人には優しくするんだよって言う僕を変なやつって言って。
キックボードみたいなやつも人気のデザインのものをひとりじめするし。
みんなちゃんと順番を待っているのにその子は割り込み。
人が遊んでいるものも奪ってばっかり。
「人と争う」という経験がなかった僕は。
なんかもう本当に嫌だったし。
イジメみたいなこともされて。
幼稚園に行くのが嫌になって。
ある朝、僕は自分で自分の首を絞めた。
もうなんか嫌で、幼稚園も行きたくないし。
その子と会いたくないし。
そんなことを言いながら「もう死ぬんだ!」って言って泣いて。
自分の首を絞めて、そしたら母が手伝ってあげるねって言って。
僕は苦しくなって「いやだ、くるしい、生きたい!」って言った。
そしてまた泣いて。
母は僕を抱きしめてくれて。
どんな気持ちだったんだろうなって思う。
横になると扁桃腺が気道を塞ぐから寝る時もおんぶや抱っこをして。
自分は満足に寝られないまま育ててきて。
苦労してここまで大きくした息子が死にたいって言って死のうとして。
母はどんな気持ちだったのだろうなって思って。
今でも悪いことをしたなって思うことがある。
あの時は申し訳なかったなって。
だけどそのおかげか。
それからは何があっても死にたいとは思わなくなった。
そして母も、近所の同級生にうちの子と仲良くしてあげてねとか。
うちの子を守ってあげてねって頼んでいた。
近所の子たちはいい子ばっかりで、僕を守ってくれたし。
僕も価値観の違う人たちとの付き合い方を学んでもいった。
そうやって助けてもらいながら生きてきた。
そういうイジメのような話は、この先もまたちょこちょことあるけれど。
それはまたその時に。
話を聞いてくれてありがとう。
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